『ルパン三世 カリオストロの城』(ルパンさんせい カリオストロのしろ)は、モンキー・パンチ原作のアニメ『ルパン三世』の劇場映画第2作。現スタジオジブリの宮崎駿が初めて監督した映画作品。1979年12月15日公開。 公開時のキャッチコピーは、「前作をしのげないのなら 2作目を作る意味がない」、「巨大な城が動き始める!影の軍団が襲ってくる!」、「生きては還れぬ謎の古城でついにめぐり逢った最強の敵!」
当初、東京ムービー新社は、鈴木清順ら『ルパン三世 (TV第2シリーズ)』(以下、『TV第2シリーズ』)や劇場版『ルパン三世 ルパンVS複製人間』の脚本家チームが執筆した脚本を元に大塚康生へ監督を依頼していたが、気乗りしない大塚は宮崎に監督就任を要請した。当時、宮崎は日本アニメーションで高畑勲らと『赤毛のアン』のレイアウトや場面設定をしていたが、これを降板して1979年5月に制作準備に取りかかる。後の作品と同様、宮崎は脚本なしでイメージボードと絵コンテを描き始め、脚本は共同名義の山崎晴哉がリライトした形となった。
もともと大塚は『ルパン三世 (TV第1シリーズ)』(以下、『TV第1シリーズ』)の作画監督で、宮崎と高畑も、共に「Aプロダクション演出グループ」の匿名でTV第1シリーズ後半の演出を担当していた。そのため、宮崎や大塚がデザインしたキャラクターや小道具、イメージボードは『TV第1シリーズ』に準じており、当時の『TV第2シリーズ』や前作映画『ルパン三世 ルパンVS複製人間』では赤だったルパンのジャケットが、『TV第1シリーズ』と同じ緑色に戻され、ルパンの車も『TV第2シリーズ』のアルファロメオではなく『TV第1シリーズ』後半に登場したフィアット・500になっている。
興行的には前作に及ばなかったが、後のテレビ放映や上映会で人気を集めるほどになり、宮崎の演出やレイアウト手法はその後のアニメ業界に影響を与えることとなった。構想、製作期間がわずか半年という短さで作られた映画であり、宮崎は「この作品で初めて自分の体力の限界を知った」と語っている。途中、製作期間内に終わらないと考えた宮崎は、下水のシーンの絵コンテを書き直しており、不満を語っている。最終的に、製作は予定された期間より一ヶ月延びている。
注意:以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。免責事項もお読みください。
[編集] あらすじ
世界的な怪盗ルパン三世と相棒の次元大介は、モナコの国営カジノ大金庫から売上金を盗み出すことに成功し、追っ手をかわして車で逃走していた。車内で札束に埋もれた二人[1]は浮かれていたが、ふと盗んだ札束に目を落としたルパンは、それが「ゴート札」と呼ばれる、史上最も精巧な出来を誇る幻の偽札であることに気づく。
次の仕事としてゴート札の秘密を暴くことを選び、ゴート札の出処と疑われているヨーロッパの独立国家"カリオストロ公国"に入国したルパンは、そこでウェディングドレスを身につけた少女が何者かに追われているのに出くわす。ルパンは追手を撃退したものの、少女は別の一団に連れ去られてしまう。少女はカリオストロ公国大公家の継承者、クラリス・ド・カリオストロ(クラリス姫)であった。
現在の公国は大公の急逝に伴い、ラサール・ド・カリオストロ伯爵を摂政としており、大公位は空位となっていた。公国の実質的な統治者となっている伯爵は、クラリスを妻として迎えることで大公位を得ての独裁を狙っていた。クラリスは伯爵の居城であるカリオストロ城に閉じ込められてしまう。
ルパンは彼女を救出するため、石川五ェ門を呼び寄せるが、ルパンが伯爵の元へ送った予告状のことを聞きつけた銭形警部も、警官隊(埼玉県警察の機動隊)を引き連れてやってくる。「ゴート札」を狙い、すでに召使いとして城内に潜入していた峰不二子も加わり、カリオストロ城を舞台にクラリス姫の救出とゴート札の謎をめぐっての大混戦が展開される。
ダンスクラブに何を着用する
[編集] 登場人物
[編集] レギュラーキャラクター
- ルパン三世
- 声:山田康雄
- カジノから奪った大金が伝説の偽札・ゴート札である事を見抜き、その震源地と噂されるカリオストロ公国に入る。そこでかつて恩を受けた公女クラリスの境遇を知り、彼女を伯爵の毒牙から救うべく奮闘する。なお、本作でのコスチュームの色は他の作品の時と比べて異なっている。
- 次元大介
- 声:小林清志
- ルパンと共にカリオストロ入りする。クラリスを救った後、二人を逃がす為にマグナムの効かない装甲を纏った伯爵の暗殺部隊相手に、対戦車ライフルで応戦する。
- 石川五ェ門
- 声:井上真樹夫
- ルパン達に呼ばれて合流する。最初は女絡みの仕事と聞いて難色を示したが、クラリスを「可憐だ」と評し、彼女に激励された直後の戦闘では最初に対戦した時とは違い、「今宵の斬鉄剣はひと味違う」といつにない闘志を見せ、太刀打ちできなかったジョドー配下の部隊の装甲を斬っている。
- 峰不二子
- 声:増山江威子
- ルパンに先んじてクラリスの召使いとしてカリオストロ城に入り込んでおり、ルパンとは一年以上疎遠になっていた。中盤では野戦服に身を包み、伯爵の手下相手に機関銃や手榴弾で応戦して男勝りの活躍を見せた。さらに結婚式ではテレビレポーターとなり、ルパンや銭形の活躍のお膳立てをする。
- 銭形警部
- 声:納谷悟朗
- ルパン犯行予告の報を受けてカリオストロ入りする(実は城への潜入に利用するためルパン自身が通報した)。ルパンの巻き添えで墜とされた城の地下でゴート札の秘密を知り、真相を暴露するためにルパンと共闘する。ラストで彼がクラリスに向かって語った、今回の事件で"ルパンが盗んだもの"を伝える台詞は本作を代表する名台詞として知られている。
[編集] ゲストキャラクター
- クラリス・ド・カリオストロ
- 声:島本須美
- カリオストロ公国の皇女で、大公家最後の姫。カリオストロ家に伝わる「銀の山羊の指輪」の所有者。カリオストロ伯爵の手の者による放火が疑われている7年前の火事で両親を亡くし、修道院に入っていた。公国の独裁を狙う伯爵に結婚を強いられる。非道な行為を続ける伯爵に反発し、婚礼衣装の仮縫いの隙を突いて脱走。カリオストロ伯爵の部下達が運転する特殊車から逃げていた際に、ルパンと出会い助けられるが、再び捕らわれる。幼少の頃、駆け出しだった当時のルパンがカリオストロ城から逃げて負傷していたのを助けた事があるが、クラリス本人は覚えておらず、ルパン自身もクラリスに再会するまですっかり忘れていた(上記の「銀の山羊の指輪」が思い出させるきっかけとなった)。結婚式の日に、変装したルパン� �よって助け出され、ルパンと共に行く事を望んでいた。しかし、自由になったクラリスを犯罪者の世界に入れたくなかったルパンは、クラリスに別れを告げる。
- 伯爵(ラサール・ド・カリオストロ)
- 声:石田太郎
- カリオストロ公国を支配する伯爵。カリオストロ家に伝わる「金の山羊の指輪」の所有者。表向きは傲慢ながらも紳士的な人物を装っているが、裏では本物以上といわれた偽札「ゴート札」の製造を取り仕切っている。7年前の火事で大公が死亡したため、摂政としてカリオストロ公国の政権を握る。2つの指輪に秘められたゴートの秘宝を手に入れるべく、大公家最後の姫であるクラリスとの政略結婚を行おうとするが、偶然にも「銀の山羊の指輪」がルパンの手に渡ってしまい、クラリスを奪還しようとするルパンからの挑戦状を受けたカリオストロ伯爵は、ルパンを待ち構える。一度はルパンを撃退する事に成功し、「銀の山羊の指輪」を手に入れるが、結婚式の日に、バチカンから招かれた大司教の姿で再度侵入して来たルパンに� ��って、クラリスと二つの山羊の指輪を奪われてしまう。時計塔の頂上でルパンと対峙したカリオストロは、ルパンから指輪の謎を聞き、ルパン達を地下水路に向かって落下させた後、時計塔にある山羊の目の窪みに指輪を入れるものの、時計塔の仕掛けによって、長針と短針に首を挟まれて、死亡する。
- なお、劇中ではほぼ一貫して「伯爵」と呼ばれ、本名が出たのは結婚式のシーンのみ。
- ジョドー
- 声:永井一郎
- カリオストロ公国伯爵家の忠実なる執事。執事の他に、各国情報機関からも恐れられる公国の特殊部隊「カゲ」の長官も兼務。秘宝を手に入れようとする伯爵をサポートし、一度はルパンに瀕死の重傷を負わせる。伯爵の結婚式の日にも再度侵入して来た次元と五ェ門に戦いを挑み善戦するが、伯爵の死亡と時計塔の崩れる様子を見届け、それまで対峙していた五ェ門に、伯爵と運命を共にする為に介錯を乞うが、五ェ門に「無益な殺生はせぬ」とはねつけられる。
- グスタフ
- 声:常泉忠通
- カリオストロ公国の警備に当たる、衛士隊の隊長。融通の利かない軍人気質で、ルパンの変装した銭形を偽物と見抜けず、ルパンから「穀潰し」となじられた。銭形に変装したルパンに騙されて本物の銭形を捕らえようとし、銭形率いる警官隊と自らが率いる衛士隊を衝突させる。また、クラリスと伯爵の結婚式会場においても、再度衝突しており、いずれも自ら剣を振るって激戦を繰り広げるが、時計塔の崩壊時には、どうしていいか分からず棒立ちしていた。
- 園丁(庭師の老人)
- 声:宮内幸平
- 元カリオストロ公国大公家執事。カリオストロ公国の大公に仕えており、大公が焼死し、大公家没落後も焼失した城の庭を手入れし続けている。クラリスの愛犬カールを預けられており、クラリスのことも産まれた頃からずっと見てきている。人当たりの悪いところがあるが、根は優しい。自分とクラリスしか知らないはずのカールの名をルパンが知っていた事に驚いていた。
- カール
- 庭師の老人の愛犬である老犬。もとはクラリスの犬であり、大公夫妻が焼死して修道院に入るときに老人に預けた。駆け出しだった時のルパンがカリオストロ城から命からがら逃げて負傷していたのを発見したことがある。クラリス以外にはなつかないという。
[編集] スタッフ
[編集] 声の出演
[編集] 主題歌
- 「炎のたからもの」(コロムビア・レコード)
- 作詞 - 橋本淳、作曲・編曲 - 大野雄二、唄 - ボビー
[編集] BGM制作と選曲
主題歌である「炎のたからもの」の曲の旋律による編曲バリエーションBGMが多数作成されている。またBGM選曲は、本作のために録音された楽曲のほか、TVシリーズや劇場版前作、サウンドトラックアルバムなどから幅広く選び出された。
結婚式の場面で流れるバッハのパストラーレ・ヘ長調・BWV590は既存のレコード音源の流用ではなく、本作の音楽録音の際にエレクトーンで録音、音に広がりを出すために、スピーカーで鳴らせた音をマイクで拾っていると大野雄二はインタビューで語る[2]。
カリオストロ伯爵の食事など、伯爵の場面に使用されているBGMはバッハのブランデンブルク協奏曲2番と4番。
興行成績は配給収入10億円の成功を収めた前作『ルパン三世 ルパンVS複製人間』より下回ったが、関係者間での評価は公開当時から高く、商業アニメ作品が受賞することが少なかったアニメーション賞大藤信郎賞を受賞している。同時代の関係者からは、宮崎の演出手法やレイアウト、場面設計に注目が集まり、当時出された絵コンテ集はアニメ制作現場での教科書として使用されていた。
公開当時は『宇宙戦艦ヤマト』や『銀河鉄道999』といったSF作品全盛期だったが、テレビでの放映が繰り返され、地方の学校や集会所、ファンの集まりなどでフイルムが借り出されて上映会が開催され、1981年にはアニメージュ誌が宮崎の特集を組んで取り上げた。同誌のアニメグランプリの歴代作品部門で1位を連続受賞し、情報雑誌『ぴあ』の年間アワード企画「もあてん(もう一度見たい過去作品ランキング)」では二年連続ベストワンといった成績を残す。
私のブースターはどこにある
現在でも日本テレビ系の『金曜ロードショー』では数年に一度放映されており、安定した視聴率を記録している。初放送は『水曜ロードショー』時代の1980年12月17日。宮崎駿監督作品ということもあり、他の数あるルパン映画と比べても再放送される回数が極めて多く、2012年3月30日の放送で13回を数え、2012年4月より『金曜ロードSHOW!』としてリニューアルするため、『金曜ロードショー』としては最後の放送作品となる。以前は庭園でのプロレスごっこや大司教の車を止めるシーンなど7分間をカットしたバージョンが放映されることが多かったが、1984年3月14日の『水曜ロードショー』でノーカットでの放送が実現し、このときには宮崎、ルパン役の山田康雄、不二子役の増山江威子がスタジオに招かれ、解説の愛川欽也と対談を行って� �る。
1999年2月26日に『金曜ロードショー』で放送された際は視聴率23.4%を記録、これは同作がテレビ放送された中で最高で劇場版作品としては1位である[3]。
- 宮崎自身の評価
- 宮崎本人は自著『出発点』で、「この作品はルパン1stシリーズや、東映時代にやってきたことの大棚ざらえで、だから昔からぼくの仕事を見てた人は失望したというのはよくわかるんです。汚れきった中年のおじさんを使って、新鮮なハッとする作品は作れないですよ。こういうことは2度とできないなって、思ってやりました」と語っている。また公開当初から、本作に対して「鬱屈がある」とアニメ誌やムック誌で発言しており、『風の谷のナウシカ』公開時の『コミックボックス』(1984年5・6月号)の対談では、第二次世界大戦でモスクワを前にして撤退せざるを得なかったドイツ軍を例に挙げて「独ソ戦のドイツみたいだといつも思うんですよ」との比喩をしている。制作スケジュールの問題で、本作のDパートでは仕上げに手間� ��かからないよう絵コンテを切ったとも述べており、ルパンがクラリスを誘拐した後、オートジャイロによる空中戦も予定されていたが、本編では割愛された。その画像は映画公開前に東京ムービーの宣伝材料として配られ、後にムック誌などにも収録されており、その名残は共同脚本名義の山崎晴哉によって書かれたノベライズ版にもある。
- 原作者の評価
- 原作者のモンキー・パンチは、「日本国外のルパン三世ファンの95%は「ファンになったきっかけ」として本作を挙げる」と述べながらも、2007年7月「ルパン三世シークレットナイト(新文芸坐)にて「(試写会で見た後の取材で)『これは僕のルパンじゃない』って言ったんですね。『僕には描けない、優しさに包まれた、宮崎くんの作品としてとてもいい作品だ』って。でもこの後半の部分が削られて、最初の一言だけが大きく取り上げられちゃいましてね(苦笑)。僕のルパンは毒って言うか、目的のためなら手段を選ばないところとか、欲望とか人間の汚いところとか持ったキャラクターですからね。あんなに優しくは描けないなぁ」と、原作と映画の違いも述べている。
- 後年、自身が監督を務めた劇場映画第6作『ルパン三世 DEAD OR ALIVE』では、本作で確立された原作者の意図とは違うルパン像への反発があった事を述べている。
- その一方で、銭形のキャラクターに関しては「銭形は凄腕の刑事である」というのが原作の設定、作者のイメージであり、アニメのルパン三世においてドジ刑事扱いされる事に不満を述べており、本作については、「銭形警部は宮崎さんの解釈が一番正しい」と語った。『ルパン三世 DEAD OR ALIVE』でも、銭形を凄腕の刑事として描いている。
- 日本国外での評価
- 映画監督スティーヴン・スピルバーグはカンヌ国際映画祭で本作を「史上最高の冒険活劇の一つ」と評し、特に冒頭のカーチェイスを「映画史上最も完璧なカーチェイス」と評したとの噂が存在する。スピルバーグ自身がインタビュー等で発言した記録が無く事実関係が不明だったが、北米版のDVDをリリースしたMANGA社は記載に足ると判断し、DVDパッケージ及びDVDに収録された予告編で、このスピルバーグの発言に言及している。
[編集] エピソード
- ルパン役の山田康雄
- 宮崎は、アフレコの際にルパンを演じている山田康雄に、おちゃらけたセリフを控え、クリント・イーストウッドを吹き替える時のような抑えた声での演技をするよう指示したが、自身でキャラクターを確立していた山田は「今さらごちゃごちゃ言われたくねーよ、ルパンは俺が決めてるンだ」と横柄な態度で吐き捨てたといい、宮崎は厳しい表情で耐えたという。これを目にした作画監督の大塚康生は「生意気だ、降ろしてしまえ」と宮崎に耳打ちしている。しかし、試写を見終わった山田はそのレベルの高さに態度が一変。「先ほどは大変失礼なこと言いまして申しわけございません。どんなことでもおっしゃってください、何百回でもやり直します」と宮崎に頭を下げたという[4]。ただし、山田の近くに位置していた次元大介役の小林清志は「そんな記憶はない」と話している[5]。
- 後にTVスペシャル第5弾『ルパン三世 ルパン暗殺指令』を監督したおおすみ正秋が同じ指示をした際、山田は「宮崎さんにも同じことを言われたよ」と嬉しそうに語ったという。
- 『TV第2シリーズ』に不満があったとされる山田は、本作を指して「こういうのを映画と言うんだ」とも後に語っている。また、「とにかく決定的に面白い。オープニングも話の展開も信じられないくらいだ。構成といい、絵といい、とても質の高いもので、こんなの見たこと無い。各所でギャグがちりばめられており、じつに楽しい」と評し、「宮崎さん、大塚さん、バンザイだ」との讃辞も贈った。
- 古典からの下敷き
- 多くの古典的冒険活劇を下敷きにした、「捕らわれの姫君を救出する」(ダムセル・イン・ディストレス)というストーリーとなった。監督の宮崎も『アニメージュ』のインタビューで、『緑の目の令嬢』に出てくる湖とローマ遺跡、そして『幽霊塔』の時計塔や地下室をモチーフにしたと答えている。
- 絵コンテ
- キャラクターのアクションや建築物の崩壊、車、メカ、武器、水の透明感、モブシーン、建物の構造を利用して垂直方向への移動と、ドラマの進行を重ね合わせた演出など、他作品でも宮崎駿が用いる表現が使われている。登場人物の性格も、宮崎独自の解釈で肉付けされている。
- 写実的な設定
- 劇中に登場する車や銃器類は、ほとんどが実在のものであり、宮崎駿や大塚康生の趣味が活かされ、支配階級であるカリオストロ伯爵のヨーロッパ貴族としての生活ぶりや振る舞いも考証されている。
- 計算されたアクション構成
- ルパンが崖から落ちて失神し、クラリスが手当てをしようとして手袋を脱いだ時に指輪が外れ、彼女が走り去った後に残された手袋の中から指輪が出てきて、それを見たルパンが記憶をよみがえらせる、といった具合に、「偶然」を積み重ねてストーリーが進行するような段取りがなされている[6][7]。
- 歳をとったルパン
- 宮崎は「善人ルパン」を描くため、ルパンの年齢をそれまでのイメージよりかなり高く設定し、「ファンの知っているルパンよりも人生経験を積んできたのだから、当然これまでのイメージと異なっていても不思議ではない」とした。物語の中盤あたりから、16歳のクラリスがルパンを「おじさま」と呼んでおり、ルパンを演じた山田自身もこの作品でのルパンに「歳をとったおじさんルパン」という認識で臨んでいた。
- ヒロイン
- 作中に登場するクラリス姫は、宮崎駿の作品に登場するヒロインの典型とされる。清楚でいじらしく、主人公による救出を待つ受動的な立場にありながら、自ら積極的に行動する気丈さと勇気も持ち合わせている。クラリスを演じた島本須美は、後に宮崎が脚本・監督を手がけた『TV第2シリーズ』最終話「さらば愛しきルパンよ」のヒロイン・小山田真希や、映画版『風の谷のナウシカ』の主人公・ナウシカを演じている。
[編集] ルブラン由来の物
登場人物の名前の一部には、モーリス・ルブランの『怪盗アルセーヌ・ルパン』シリーズに由来するものがある。
「カリオストロ」はモーリス・ルブランの小説『アルセーヌ・ルパン』シリーズ『カリオストロ伯爵夫人』に登場するルパンの仇敵の名前であり、「クラリス」は同作品に登場する、産まれた男の子をカリオストロ伯爵夫人に誘拐されるルパンの恋人の名前として使われている。また、もともとカリオストロとは近世フランス史に登場した自称錬金術師で、後世のフィクションにも多く取り上げられている人物であり、これを宮崎が『ルパン三世』の映画化にあたり題材としてとりあげたもの。
tは作る方法結婚式の花束に落ちる
クラリスはカリオストロ家の人物ではなく、デティーグ男爵の令嬢だった。誘拐された息子は二十数年後を描いた作品『カリオストロの復讐』で好青年になって再登場する。『緑の目の令嬢』(『青い目の少女』とも)には、本作と同様に湖底から遺跡が出現するシーンがあり、ルパンとカリオストロ伯爵の対決の場となった時計塔は涙香・乱歩の『幽霊塔』をモチーフにしている。
[編集] 『TV第1シリーズ』からのアイデア
- 服装、愛車
- 当時赤ジャケットの新ルパンが放送されていたが、『TV第1シリーズ』の緑ジャケットで登場する。フィアット 500Rも『TV第1シリーズ』後半から登場したもので、前作で登場したメルセデス・ベンツSSKは回想シーンのみでの登場。『TV第1シリーズ』のエンディングで不二子がバイクに乗るシーンがあるが、映画での不二子の移動手段も全てバイクだった。
- 偽札
- 偽札をばらまいて捨ててしまうシーンが、第10話「ニセ札つくりを狙え!」でも登場している。
- サーチライト
- ショルダーホルスターを締めた黒のカバーオール姿でサーチライトに追われるシーンで、初期オープニングや第4話「脱獄のチャンスは一度」で描かれたルパン三世のイメージを描いている。
- TVスタッフに偽装
- 1st第18話「美人コンテストをマークせよ」で、ルパンたちがTV局レポーターに偽装して会場に侵入している。乱入した五ェ門が暴れるハプニングでテレビに秘密が映ってしまうのを狙うなど、作戦も同じ。
- 大時計
- 時計塔のメカニズムが1st第10話「ニセ札つくりを狙え!」で登場して、大時計の針が侵入者を襲うシーンもある。ラストでやはり時計塔は破壊されてしまうが、崩壊前に機構が突然激しく動き出す演出などの共通点がある。
[編集] カリオストロ公国
本作の主な舞台であるカリオストロ公国の人口は3,500人で、世界で一番小さな国連加盟国と設定されている。壮麗な塔を持つカリオストロ城と城下町、古代ローマ時代に作られた水道橋を持ち、美しい山々と湖に囲まれている。主な産業は観光と牧畜。そしてコレクター向けの記念切手の発行。湖底から古代ローマの大規模な都市遺跡が良好な保存状態のまま発見された。
その一方で、海外で流通する紙幣を精巧に真似た偽札を製造しているとされ、東西冷戦下においては国際的に無視できない影響力を与えていた。世界最高レベルの偽造技術を誇り、時に本物以上と称されるその幻の偽札は「ゴート札」と呼ばれている。ルパンによれば、古くはナポレロン軍の資金源となり、1929年の世界恐慌の引き金となるなど、中世以降の世界情勢の裏に常にその影を見せていたという。「偽札界のブラックホール」の通り名で知られる通り、400年もの間、偽札製造の秘密を守るため世界中の政府機関、諜報機関、軍部の調査をかいくぐってきた。調査に訪れた者は一人として生きて戻ってきた者はいなかった。その者たちは証拠隠滅のために「地下」に葬られ、大量の死骸として今も残っている。日本の明治政� �もこの偽札を調べていたようで、偵察任務を任せられた日本軍の軍人が「地下」で自害していた(因みに「地下」に葬られて生還したのはルパンと銭形の二人だけである)。しかし、現代ではその偽札製造の技術は往年に比べて衰えを見せており、完成したサンプルも伯爵から品質の低下を指摘されていた。
カリオストロ家の紋章は、ヤギをモチーフにしており、大公家では青地に左向きの銀のヤギ、伯爵家では赤地に右向きの金のヤギが用いられている。指輪には現在では使われていないゴート文字が彫られている。
カリオストロ大公家が代々の統治を務め、カリオストロ伯爵家は公国の影の部分である暗殺等の謀略を司っていたが、大公夫妻が謎の火災によって死亡し、摂政を務めていたラザール・ド・カリオストロ伯爵が、大公家最後の姫であるクラリス・ド・カリオストロ姫を統治権を大公家に戻すためという名目で強制的に妻として迎え、公国の独裁を狙っていた。
クラリス姫とカリオストロ伯爵の婚礼が行われたが、その結婚式の最中に城内へルパン一味が登場。さらには銭形警部率いる日本警察(埼玉県警の機動隊)の突入によってそれまで噂とされていた幻の偽札「ゴート札」の製造元と思われる巨大な印刷工場が城の地下から発見され、スクープとして世界中のテレビに生中継された事で遂に国際刑事警察機構の査察が入る事になった。
なお、カリオストロ公国のモデルとなった実在の国は、一説では、リヒテンシュタイン公国とも言われている[誰によって?]が、必ずしも、リヒテンシュタイン公国のみをモデルにしたのではなく、ヨーロッパ各国の様々な遺跡や城砦、教会、山岳をはじめとする実在の風景などをモデルにして取り入れたという。[要出典]
[編集] 登場する武器・乗り物
[編集] 乗り物
自動車の中には、実物には存在するドアミラーが描かれていないものがある。
- スーパーチャージャーつきフィアット 500
- ルパンたちの愛車。途中でカリオストロ伯爵の手先が放った手榴弾でフロントガラスやボンネットなどを破損したが、エンディング前には綺麗に補修されている。大塚康生が同型車を所持していた。
- シトロエン・2CV
- クラリスが運転する車。宮崎駿が同型車を所持していた。
- ハンバー・スーパー・スナイプ
- クラリスを追うカリオストロ伯爵の手下が運転していた車。銃弾も通用しない特殊タイヤを履いているが、次元の徹甲弾の一撃を食らってパンクし、大破。
- オートジャイロ
- カリオストロ伯爵が所有する、一人乗りの小型飛行メカ[8]。伯爵が湖の上を遊覧する際に使用し、クラリス奪回作戦の時にはルパンと銭形も操縦したが、ジョドーの銃撃で炎上。その後、木に突っ込み爆散している。作中でオートジャイロと呼ばれているものの、水平ローターの先端にエンジンが付いていて垂直離陸能力があり、実際のオートジャイロとは機能が異なる。一方で推進にはプロペラを用い、カウンタートルクを打ち消すテールローターを持たず、ヘリコプターとも異なる。
- ブルーバード410型
- 銭形のパトカー。初登場時からカリオストロ城に突入するまでは右ハンドルだったが、エンディング前には左ハンドルに変わっている。ドアに書かれている所属県警名も左側は「埼玉県警」だが、右側は「ICPO」となっている。ナンバーは「埼玉5 た 110」。
- CMP C60L及びF60L
- 銭形突撃隊が用いた軍用トラック。
[編集] 武器
排莢アクションなどが省略されて描写されている。
- シモノフPTRS1941
- ソビエト連邦製の対戦車ライフル。「素人が撃つと肩の骨が砕ける」といわれるほどの威力と反動を持つが、1979年当時としても旧式の兵器である。マグナムすら効かないボディアーマーを着た敵部隊「カゲ」に対し、最終決戦で次元が使用した。この銃でもアーマーは貫通できず、後方へ吹き飛ばすだけだったが[9]、「カゲ」の大群を相手に獅子奮迅の活躍を見せる。
- S&W M27 .357マグナム 4インチ
- アメリカ製の拳銃。今作の次元はテレビアニメ版で愛用しているS&W M19ではなく、S&W M27を使用[10]。冒頭のカーチェイスでパンク防止タイヤを装備した追っ手の車を止めるためボトルネックケースの徹甲弾を使うシーンがあるが、実際には使用できない。今作では、「カゲ」が着込んだボディアーマーにダメージを与えることが出来なかったため、序盤の「カゲ」の奇襲以降は出番がなくなる。
- ルガー1900
- ドイツ製の拳銃。ルガーP08の原型となった拳銃で、当時のスイス軍などが採用した。不二子が他の作品で使用しているブローニングの代わりに使用。設定資料ではグリップ下に銃床を装着する部品がなく、これはスイスルガーの特徴となっている。当時の銃器雑誌『月刊Gun』のスイスルガーのレポート中には「不二子に使って欲しい」という記述があった。
- UZI
- イスラエル製の短機関銃。最初期の木製固定銃床を装着した型を不二子が使用している。
- MG34
- ドイツ製の機関銃。伯爵がジョドーにオートジャイロごとルパンを撃たせたシーンの機関銃。ドラムマガジン給弾とベルト給弾の両方に対応しているが、ドラムマガジン給弾式として描写されていた。
- PPD-40
- ソビエト連邦製の短機関銃。冒頭のカーチェイスでクラリスを追う男達が使用。PPSh-41に酷似しているが、マガジン前方に木製ストックの先端が突き出している点で確認出来る。
- MP40
- ドイツ製の短機関銃。「カゲ」達が使用。
- PPSh-41
- ソビエト連邦製の短機関銃。時計塔に侵入した水兵が使用。
- ワルサーP38
- ドイツ製の拳銃。『TV第1シリーズ』のエンディング・テーマでも歌われる、ルパンの愛用拳銃である。今作では使おうとしてポケットから出した際、銃口がポケットに引っかかっている間に警備装置のレーザーで溶かされ、全く活躍していない。回想シーンでのみ発砲している。
- M24型柄付手榴弾
- ドイツ製の手榴弾。冒頭のカーチェイスで、クラリスを追う男達がルパンのフィアットに投擲。
- 斬鉄剣
- 五ェ門愛用の日本刀。中盤では燃えたルパンのスーツを粉々に斬って助け、最終決戦では、次元の対戦車ライフルでも破壊できないほどの耐久性を持った「カゲ」のボディーアーマーを、軽々と斬り裂く切れ味を見せた。コンニャクなど斬れない物も幾つか存在する斬鉄剣だが、本作では斬れない物は登場しなかった。
- 閃光弾
- 宿屋で「カゲ」から逃げる為に使用した手製の手榴弾だが、敵を殺傷せず、凄い音と光を出す。ルパンはこれを使う際、目を守る為、サングラスを使用していた。
[編集] VHS・DVD・BD
[編集] 日本国内
- 当初のソフト化では、VHSカセット版では90分にカットされたものが発売され[11]、ルパンが塔から塔に飛び移るシーンなどがなくなっている[12]。なおβカセット版及びLD版は発売当初よりノーカットだった[13]。
- 2003年に発売された「劇場版ルパン三世 DVD Limited BOX」でも他の劇場映画とは一緒に収められておらず、単品DVD自体は「ジブリがいっぱい COLLECTION スペシャル」ブランドで発売されている。2枚組で、英語版(後述)や劇場公開時の予告編、またマルチアングルで絵コンテなどの特典が収録されている。なお、本編の音声は劇場公開時のモノラル音声を擬似ステレオ化したものである。(製作:トムス・エンタテインメント、発売元:ブエナビスタホームエンターテイメント、VWDZ8032)
- 2012年現在、単体DVDは生産を中止しているが、2007年3月に発売されたDVDBOX『LUPIN THE BOX -TV & the Movie-』に収録されている。
- 2008年12月3日には、HDリマスター版としてBDソフトが発売された。
- 市販化にあたり、ビデオやLD、DVDなどに予告編が収録されたが、冒頭部分の宮崎のコメントが削除されている。劇場で使用された予告編では、冒頭に、黒い画面に白抜き文字で「前作をしのげないのなら 2作目を作る意味がない。 宮崎駿」というコメントがある(主に上映された劇場の前上映作品『がんばれ!! タブチくん!!』にて使用)。なお、このコメントはキャッチコピーとして同時期に配布されたチラシでも確認可能。削除された理由については不明。いずれにせよ市販されている媒体での「予告編完全収録」という表記は、実際には一部削除されているため不適切な表記となっている(2010年現在)。
[編集] 日本国外
- 北米では、1992年にストリームライン・ピクチャーズ (Streamline Pictures) が『The Castle of Cagliostro』のタイトルで翻訳し、メトロ・ゴールドウィン・メイヤーから発売された。日本で「ジブリがいっぱいCollection」として発売されたDVDにも収録されており、ルパンの名前は Wolf に変更されている(参考)。ストリームライン・ピクチャーズは、ルパンシリーズでは『ルパン対複製人間』『死の翼アルバトロス』『さらば愛しきルパンよ』も翻訳している。イギリスとオーストラリアではこのストリームライン・ピクチャーズの吹き替え版を用いてManga Entertainmentが発売した。
- 2000年にManga Entertainmentは上記のストリームラインとは別の吹き替えを用いたDVDを発売した。Mangaは2006年8月に、特別版DVDを発売。この特別版にはレコードのようにA面とB面があり、一枚のディスクの裏表両方が記録面となっている。A面には本編が、B面には大塚康生へのインタビューなどの特典映像が収録されている。
- フランスでは翻訳版が3つ存在し、『Vidocq contre Cagliostro』のタイトルで発売された第1バージョン、Manga Entertainmentが『Le Château de Cagliostro』のタイトルで発売した第2バージョン、IDPが同じく『Le Château de Cagliostro』のタイトルで発売した第3バージョンがある。Manga Entertainment による第2バージョンは、上記の Streamline Pictures による英語版を基にした重訳で、ルパンの名はやはり Wolf となっている。
[編集] 売上記録
(日本国内)
内容 | 記録 | 補足 |
---|---|---|
興行収入 | 約6.1億円[14] | 推測 |
配給収入 | 約3.05億円[15] | |
地方動員 | 65万8386人[15] | 2本立て |
首都圏・関西動員 | 約24.2万人[15] | 単独 |
全国動員 | 約90万人[15] | |
『オリジナル・サウンドトラック ルパン三世・3』 | 約1万枚出荷[16] | 1994年発売のCD |
『ルパン三世 カリオストロの城 ドラマ編』 | 約1.5万枚出荷[16] | 1986年発売のCD |
『ルパン三世 カリオストロの城 完全収録盤』 | 約1万枚出荷[16] | 1994年発売のCD |
『カリオストロの城 オリジナル・サウンドトラック BGM集』 | 約2万枚出荷[16] | 1994年発売のCD(再発) |
『ルパン三世 宮崎駿作品集』 | 約1万枚出荷[16] | 1997年発売、CD |
『ルパン三世クロニクル ルパン三世 カリオストロの城 ミュージックファイル』 | 約1万枚出荷[16] | 2003年発売、CD |
DVD | 約40万枚出荷[17] | 2001年発売 2003年6月現在 |
[編集] テレビ放映日と視聴率
*1987年1月5日に『アニメだいすき!』で放送された(15時~17時:読売テレビ)。
[編集] 関連作品
- ゲーム内容は、映画版から、しばらく経過した後となっている。
[編集] 補足・その他
- カリオストロ城のモデルは、モン・サン=ミシェルである。[要出典]
- 1997年に放送されたTVスペシャル『ルパン三世 ワルサーP38』では、ルパンに関する資料としてカリオストロ城とカリオストロ伯爵について書かれたデータが登場しており、伯爵の死亡年が1996年となっている。
- 草創期のコミックマーケットでは、吾妻ひでおと周辺のスタッフが、漫画同人誌『シベール』を作成し、ヒロインのクラリスをロリコンキャラクターとして取り上げている。
- 『ゼンダ城の虜』を初めとする、「近現代ヨーロッパの架空の小国を舞台にした冒険譚」を表す「ルリタニア・テーマ」というジャンル名を提唱した田中芳樹は、日本における代表例として本作と『天空の城ラピュタ』をあげた[20]。
- 本作のファンであった黒田清子(旧名:紀宮清子内親王)は、黒田慶樹との結婚式で着用する白いドレスのモチーフとして、デザイナーにクラリスの花嫁衣装を例示したという話が報道された[21]。
- 冒頭のゴート札を盗んだルパンたちを追跡しようとしていた車のボンネットの内側にルパンが張った張り紙は「ごくろうさま」から「ごくろうさん」に不自然に変わっている。
- ^ 石川五ェ門もこの時点で既に登場しており、後部座席に埋もれている。
- ^ COCX-32227 『ルパン三世 カリオストロの城 ミュージックファイル』大野雄二インタビュー、コロムビアミュージックエンタテインメント、2003年5月21日発売
- ^ 『SUPER SURPRISE』 2010年2月8日(日本テレビ放送網)放送より。
- ^ 大塚康生『作画汗まみれ』(pp.185)より
- ^ 『ルパン三世よ永遠に-山田康雄メモリアル-』パイオニアLDC
- ^ 森卓也『シネマ博物誌』
- ^ 久美薫『宮崎駿の時代 1941~2008』
- ^ 架空の乗り物であり、実在のものではない。
- ^ 現実には、ここまでの耐久性を持つ個人着用型の防具は実在していない。
- ^ 映画パンフレットの次元プロフィールより。
- ^ 宮崎駿『あれから4年…クラリス回想』徳間書店
- ^ やはり存在した90分版カリオストロの城
- ^ 当時は、多くのソフトがVHS版では90分以下にカットされ、β版でノーカットが発売されていた。
- ^ 叶精二『宮崎駿全書』フィルムアート社、2006年、27頁。ISBN 4845906872
- ^ a b c d 叶精二『宮崎駿全書』28頁。
- ^ a b c d e f 叶精二『宮崎駿全書』25頁。
- ^ 叶精二『宮崎駿全書』30頁。
- ^ 当時、宮崎駿にとっては本作以来5年ぶりの監督作品となる長編劇場アニメ『風の谷のナウシカ』(3月11日公開)が公開中であった。
- ^ 今回で初のノーカット放送が実現し(以後ノーカット放送が定着)、この時には監督の宮崎駿、ルパン役の山田康雄、不二子役の増山江威子がスタジオに招かれ、司会の愛川欽也と対談を行っている。
- ^ 田中芳樹『アップフェルラント物語』後書きより。また田中の最初の長篇『白夜の弔鐘』で登場する女性「クラリス」の名前は、本作のヒロインから取られている(梶尾真治による文庫版解説より)。
- ^ ウェブ報知 2005年11月15日 (Webarchive)
[編集] 参考資料
- 『アニメージュ』徳間書店、1980年1月号
- 本作の特集号。東宝宣伝部から「前作より低年齢向けとして宣伝した」とコメント。
- 『アニメージュ』徳間書店、1981年1月号
- 宮崎駿とおかだえみこの対談記事。モーリス・ルブラン作品と江戸川乱歩作品をモチーフにしたこと、中年の意識で描いたことが語られる。
- 『アニメージュ』徳間書店、1981年8月号
- 宮崎駿特集号。宮崎自身による自身の作品歴における位置付けと海外での評価。
- アニメック編集部編『カリオストロの城大事典』ラポート、1982年
- 『ルパン三世カリオストロの城』双葉社、1999年 ISBN 4575471690
- ムック型資料集。
- 『作画汗まみれ 増補改訂版』大塚康生 / 徳間書店、2001年 ISBN 4198613613
- 本作の作画監督による制作の裏話。山田康雄との裏話など。
- 『スタジオジブリ絵コンテ全集第II期・ルパン三世カリオストロの城』宮崎駿 / 徳間書店、2003年 ISBN 4198616663
- 『リトル・ニモの野望』大塚康生 / 徳間書店、2004年 ISBN 4198618909
- 東京ムービー新社のアメリカでのプロモーションに本作が使用されたことなど。
- 『キネマ旬報』キネマ旬報社、2004年8月下旬号
- 創刊85周年特集として各ジャンルのオールタイムベストテンを発表。映画評論家による投票で選定。
- 『大塚康生インタビュー アニメーション縦横無尽』実業之日本社、2006年 ISBN 4408612553
- 従来、通説とされてきた本作のモチーフと見なされていた『TV第1シリーズ』のエピソードに関する新事実など。
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