そこでさまざまな業種からアイデア、ノウハウを取り入れて、何か今までと違った新しいビジネスを進めようとしてきました。しかし、その結果は期待通りの成果が得られなかったというお話をよく耳にしました。
その理由は、経験のある方であればお分かりでしょうが、要は、単に異業種の専門性を寄せ集めても、まとまったモノにはならないということなのです。この理由はこれまで何度も申し上げているように、異業種交流からでは、1つのゴールを描き、その目標に向けたモノ作りを進められないということなのです。
つまり、成功させるには、開発者が1つのゴールに向けてそれぞれの専門分野を束ねていかなくてはなりません。
私がコンサルタントとして関係したあるプロジェクトのお話をしましょう。
その計画は簡単にいうと都内にある1100坪の土地を有効利用して「スポーツクラブ」を立ち上げるというもので、この計画を聞きつけたいろいろな企業が私のところに殺到してきました。
その内容は、「これまでスポーツクラブはたくさん手掛けており、実績があるから、私どもにお任せください」というものでした。
しかし、驚いたことに、私たちがどんなスポーツクラブを作りたいかというゴールを話す前に、館内の機能や設計プランを持参してくるのです。スポーツクラブは、一時のブームが去り、撤退するところが多く出てきている時で、既存のクラブと同様のことをやってもうまくいかないのは、明らかな状況なのにです。
私たちは、欧米では一般的だが、日本ではまだ定着していない「クラブライフ」を楽しめるスポーツクラブづくりを目指していました。そこでハードもソフトも独自性の強いものを組み立てて行く必要があったのです。
アプローチしてきた企業は、それぞれ一流で相当実績もあるところばかりで、建物から設備、サービスに至るまであらゆる提案がありましたが、私たちが描いたゴールにかなうものはありませんでした。
そこで、私たちから要望をぶつけてみると、素人視して、自分たちの過去の経験や業界の常識を盾に自分たちの世界へ引きずり込もうとする抵抗に合いました。
このように多くの要素を束ねて一つのモノをつくり上げるには、しっかりしたコンセプト(あるべき姿)と、とりまとめ役(開発者)の信念が ないと計画はねじ曲げられてしまい、描いたゴール通りにはなりません。
そこで開発者は、多くの要素を調整し、いらない部分を削り、欠けている部分を埋めながらシンプルなものにまとめ上げる作業をしなくてはなりません。しかも、まとめ上げて実際に成果が出るまでの間は、なかなか周囲からの理解は得られません。
このようにネットワークビジネスを進める開発者は、孤独に耐えられない人は務まりませんし、信念を持って事に当らないと挫折してしまいます。ネットワークビジネスと一口で言っても、責任は開発者にあるということを肝に銘じて事に当たらなくてはなりません。
実はK社は人材派遣会社としてスタートしたのではなく、K社のS社長は脱サラで英会話学校を起業しています。英会話学校は、3年ほどで軌道に乗り、順調に業績を伸ばしていましたが、英会話学校を続けて行くことに対しての将来性に、だんだん不安がつのっていくようになったといいます。
「これから先、英会話学校同士の過当競争が始まり、安定した経営を確保できるか。どんなにがんばっても、大手の英会話学校にはかなわない。他人の後追いの二番煎じではでないか……。」いまやっている英会話学校に対� ��て、次々と疑問がわいてきたといいます。
ちょうどそのころS社長は、英会話の教師を派遣するため、いろいろな企業を訪問していましたが、訪問先の人事担当者から、とくに技術者の不足は深刻という話を聞いていました。そんな現場の状況を目の当たりにしたとき「これは新しいマーケットになる」と閃いた、とS社長は顔を歪ませてニッコリと話します。
とはいえ、英会話学校が軌道に乗ったばかりで、S社長としても新規事業を立ち上げることに躊躇していたそうです。ところが、「これからの日本は"技術立国"でなければならない」という言葉を耳にしたとき、その迷いは一気に吹っ飛び、「やらなければならない」という使命感に突き動かされたといいます。そして、技術者の人材派遣会社を立ち上げたので す。
ある意味「やらなければならない」という使命感だけで、技術者の人材派遣会社を立ち上げたのです。しかし数多くの難関が待っていました。当初は現在ある「人材派遣法」もなく、法的に認められた事業ではありませんでしたので、大っぴらに人を派遣するということができなかったのです。そこで自社から社員を出向させるという形でスタートしました。
また、社会的に認められた事業ではなかったので、人材募集の広告にも「派遣」という言葉も一切使えなかったのです。つまり、S社長は、今までなかったまったく新しい事業を立ち上げたのです。K社の実績が公に認められ、市民権を得て「人材派遣法」施行につながったといっても過言ではないでしょう。
まったくない事業を興し、軌道に乗せるまで� ��苦労は並大抵でないことは想像に難くありません。S社長は、派遣先開拓のために、多くの企業や事業所を回ろうと電車の乗り換え時間の1分1秒ですら短縮するために、電車の中を先頭から最後尾までアタッシェケースを抱えて必死に走ったといいます。
しかし、傍からみる社長は苦労をしているというよりも、使命感に燃え、毎日充実感に溢れ、楽しんでいるかのようでした。
「開発」とは、難しいものではりません。「開発」のシーズは身近にあるものです。難しいのは、それをやり遂げる前向きな思考とバイタリティーなのです。
一点集中とは、すなわちリスクが大きくなるように感じるからです。しかし、実際はその逆です。その市場で特化し、一番になることは他者に対して絶対的な優位性を持つことができます。とくにこれまでにはないニッチマーケットに進出するには、鋭いくさび(特化した自社の強み)を打ち込む必要があります。
開発を成功させることががなぜ難しいのか――。それは持てるすべてのものを一点に集中することがなかなかできないからです。これができなければ、どんなに巨額な予算を投じようと、有能な人材をスカウトしようと成功はあり得ません。しかし、これができたとき開発を成功させることができるのです。
いまや大企業となったホンダ、ソニー、松下の草創期を思い起こしてみてください。ホンダは原付自転車 (通称=バタバタ)、ソニーはトランジスタ、松下は二股ソケットという商品に一点集中したではありませんか
何かに一つに絞り込むこととは、その専門というわかりやすい形で周囲に浸透させることができるわけです。それによって、「○○なら××」という相乗効果が生まれ、新しい顧客を自然とつかみやすい環境を整えることができるのです。
なぜ、彼らはホラ吹きといわれるのか。それは研究や開発当初からそれが成功した姿を描き、それらがあたかも世の中に存在しているかのように公言してしまうので、端で話を聞いていると大風呂敷を広げているような感じをうけてしまうわけです。
しかも、目標が高ければ高い程、ハッタリ度が大きくなってしまうわけです。しかし、開発者にとって最も重要なポイントはこうした"ハッタリ屋"になることなのです。
一般的にゴールを描くことを「コンセプトを決める」といった表現をしますが、開発の初期段階では、夢を描く感覚で構想レベルのゴールの姿を想像することが大切なのです。
私の知り合いの社長で「光束制御技術」という新しい分野の原理開発から取り組んだ方がいます。
マーブルフォールズテキサス州テキサス州の宝石店
そもそもこの技術の開発のきっかけは、たまたま入ったそば屋にあった、そばづくりについて書かれた版画がガラスの額の中に入っていて、反射して見えなかった。そこで「ガラスは透明なのに反射して見えなくなる。この反射をなくすことができないだろうか」という単純な疑問が発端でした。そして、その疑問が光の原理開発と応用製品の開発へとつながっていきました。
開発された技術を簡単に説明すると、懐中電灯で一点を照らすと中心が最も明るく、外側へ行く程暗くなります。これを光の束の密度といいますが、この懐中電灯が照らす部分を均一の明るさにする技術を開発したのです。
この技術はOAフィルター(OAモニターの表面の映り込みを掃するフィルター)、近距離から大画面に照射でき、しかも斜めからも歪みの無い映像をつくり出すプロジェクター、昼間太陽光の下でも見えるスクリーンなどさまざま分野で応用され、今までにはなかった製品を作り出しました。
私が社長からこのお話をうかがったのは10数年前ですが、その時の社長は製品が既に出来上がったように熱く語っていたのを憶えています。
しかし、こうした開発ができるかどうかは、常に問題意識を持たなくてはなりません。そして、開発者が強いこだわりを持ち、それがどのような結果(ゴール)になるかを明確に打ち出すことが必要です。
といってもその結果が、単にその商品やサービスがヒットして売り上げが上がるというのではなく、その商品やサービスがお客様にどのように喜ばれるか、どのように広がるかというビジョンが必要です。そうしなければ、周囲の理解や協力を得ることはできません。
開発はそれを提案した個人の発想からスタートしているはずです。その上で、成功に導くために多くの協力者が必要になる、ということを肝に銘じてください。
開発とは言い換えれば「新しいビジネス」の始まりです。また、開発にはさまざまな課題や難題が次々と"壁"となって立ちはだかります。
抵抗という壁は、開発のスタートである発想がユニークであればあるほど大きく、強固になるという特徴を持っています。
こうした抵抗(勢力)が立ちはだかる理由は、「開発はリスクを伴う投資」であるからにほかなりません。リスクを避けたがる人たちは、どんな組織でも多く存在し、大半がそうといっても過言ではありません。
しかし、一概にそれを悪とは言い切れません。これは人間が抱える性だからです。しかも、組織の中で行われる開発は、上司や先輩、同僚といったしがらみの中で行われます。
とくにこれまで日本企業では、全体の和が重要であり、総意と合意を得ながら開発が進められてきました。しかし、今の厳しい状況の中では、これは失敗の元であり、開発の結果は期待はずれなものになります。
すなわち、開発していく課程でリスクを避け、より無難な方向という選択をしてしまうことで最初にあったユニーク性を欠いた開発になってしまうのです。つまり、最初にあった鋭い突出した部分がどんどんと削られ、「丸くなった開発」になり、実績のある既存のものを真似た開発になるのです。
せっかくのユニークな開発が、このような結果にならないようにするためにも、まず初めにゴール(あるべき姿)を描くことが大切なのです。
そのことで最終ゴールを描き、そこに向けて開発を進めていく� ��で、何らかの抵抗によって開発途中で変更が加われば、結果が違ってくることを容易に想像することができます。
開発とは、ゴールを目指し、こだわりや信念を持って貫き通すことこそが開発行為なのです。「光束制御技術」の原理開発を行なった社長の場合も、8年間の苦難の末、完成させました。
開発に携わる多くの人たちに、各々の専門分野で十分な能力を発揮してもらい、その力を束ねことが必要になります。これまでは「総意の和」によって開発が行われてきましたが、これからは「創意の輪」が大切なのです。そのためにも開発に携わる人たちに、わかりやすい最終ゴールを描くことが重要なのです。
「モノ」が溢れかえっている時代。具体的な開発には「スピード」「質」「コスト」といった相反する要素を同時に求められ、以前にも増して一つの開発を成功させるには、厳しい状況にあります。そんな環境下でどのように開発を進めていけばよいでしょうか。その最大のポイントは「餅は餅屋に任せる」ということなのです。
中小企業、ベンチャー企業では、ヒト、モノ、カネ、情報といった資源が限られているのが普通です。にもかかわらず、多くの企業では開発のすべてを自社内で取り組もうとしてしまいます。これは大きな間違いです。
かり に自社の突出した「強み」があったとしても、その他のレベルが低くければ失敗に終わるケースが多いのです。というのは、企業のレベルとは一番低い要素に合って決まるからです。
たしかに自社内で全てを行い成功すれば、それだけ大きな利益を生むことは間違ありません。しかし、その確率は、それこそ万に一つと言ってよいでしょう。
ならば、手にするリターンが減っても、「餅は餅屋のネットワーク」発想での取り組みが必要です。
そのために発想方法の項でもお話ししましたが、新製品(サービス)全体の中で、自社の「強み」を生かせる要素、分野はどこか、そして欠けている要素、弱い点は何かを先ず明確にする必要があるわけです。
そして、弱いところを補うために、外部の「餅屋」(専門家・会社)に協力を求めるのです。「餅屋」選定のポイントは、できるだけ一流を選び、そこに投資することです。このことは結果的に安い投資になるのです。
しかし、このとき自社にとって「必要な時に」「必要なモノを」「必要なだけ」という条件をつけて協力を求めることです。つまり、開発全体の中心は自社にあることを明確にし、そのうえで全体の中でそれぞれが持つ強みを充分に活かしていくことが重要です。そうすることで、質の高いモノをスピーディーに得ることができるはずです。
これは研究開発に立ちはだかる永遠のテーマといっていいかもしれません。どんなに素晴らしい技術や商品(サービス)をつくり出すことができてもビジネスに結びつけられなけば、それは何の意味もありません。
端的にいえば、その開発は失敗です。しかし、開発を行う人間は、開発に没頭するあまり、ビジネスのスタンスを踏み外すことが多いのが現実です。
この研究の陥穽に落ちないためには、「研究開発とビジネス上の開発は異なる」ということを常に念頭においてことにあたることが重要です。
「光束制御技術」の原理開発から応用品を開発したM社長,1つのエピソードをご紹介しましょう。
あるとき新技術の開発に成功し、それをビジネス展開するために販売促進用のパンフレットを作成することになりました。
M社長がつくったパンフレットの原稿は、自ら開発した技術の画期性を売り込みたいと、どのような技術から生まれた製品かということを説明し、技術力の素晴らしさが強調されていました。
たしかにM社長が開発した技術は、これまでにない素晴らしいもので、その技術によって生み出される製品の可能性は無限な広がりがあります。しかし� �ユーザー(消費者)にとっては、技術の素晴らしさも重要なファクターではあるものの、それが購買の動機にはなり得ないのです。
それよりも、その製品を買うかどうかの判断は、自分にとってどのようなメリットがあるのか、同様の製品と比べて自分の購入目的にどれだけ適合し、価格も納得できるかなど自分にとっての便益を重視して評価します。
したがって、販促用パンフレットには、技術の素晴らしさよりも技術を応用することにより、今までユーザーが抱えていた問題を一挙に解決し、ユーザーにとっていかに利益性の高い製品であるか、といった内容を端的に伝えなくてはなりません。
そのうえで、技術的な内容を付加し、信頼性を高めたほうがよいとお話ししました。加えて、ベンチャー企業の事業性(売上)を伸ばすためにも、そうするべきであることをお伝えしました。
それからこの件について長時間の議論をし、この論議はことあるごとに繰り返されました。こうした議論は、どんな会社でも繰り返されていることかと思います。
不況ガラスの値
これを防ぐには、開発者がその「技術」をどうつかいどのような「商品」にするかというゴールを描くとき、自分で考えている商品(サービス)がどのようにユーザー(消費者)に利用され、それがどのような満足を与えているかというエンドユーザーの姿まで想像することなのです。つまり、顧客第一主義の上に立つ開発成功のゴールを描くことなのです。
すなわち、これこそがマーケティングなのです。
具体的にどのような方法で開発商品(サービス)を市場へ導入したら「小さく産んで大きく育てる」が実践できるかを解説いたします。
開発とは、リスクの伴なう長期的投資であること、そして、商品が市場で成長して行くメカニズムを理解した上で、リスクを極力軽減し、理想的な成長を促す実践的な方法を採用することが成功につながります。
★導入は「テストマーケット」の積み重ねが理想。
クチコミ(本需要拡大機能)のメカニズムを利用し、確実に需要を拡大していくには、限られた市場(場所)でのテスト販売からスタートし、状況に合わせて市場拡大のためのテスト範囲を広げていくことが好ましいといえます。
開発した商品(サービス)のあるべき姿(コンセプト)を際立たせて、目立つことにより、常� �世の中での新しい動き、情報に敏感なイノベーター(クチコミの原点)と呼ばれる人達の興味をそそることにつながります。いわば、確かな「クチコミの核」をつくるようなものです。
この方法を採用すると、限られた投資で効率の良い販促ができます。また、目立つ動きを示すことにより、マスコミ等が取り上げる機会を多くする効果もあります。
同時に、テストの段階で開発商品に付き物の机の上では考えられなかった諸問題を見つけ出し、最小のリスクで修正を加えることが可能になります。
テストマーケットをしないで、商品評価等のリサーチの結果で、いきなり本格的な市場導入を計るケースも多いのですが、その際、広範囲の展開、理想的な環境下で確実に商品コンセプトを主対象者に訴求できるかどうか� ��す。特に、潜在需要を掘り起こすだけの提案が確実に実行できるかが問題です。
一気に一定のシェアーを獲得するための大きな投資が出来る大手企業(強者の戦略)であれば、可能性がありますが、やはり本物の需要をつくり上げるメカニズムからしても力づくでは、なかなかうまく行きません。
★本物需要づくりは「急がば回われ!」
どこの企業でも、開発した商品が短期間のうちに市場で評価され、大きく売上を伸ばしてくれることを期待するのは当然ですが、一つの商品が成長して行くメカニズムを知れば知る程、本物の需要づくりには時間が掛かることが分かります。
なかには、いきなり爆発的な売り上げを上げる商品もありますが、大半が急成長したと同じような速度で急降下しています。成長と衰退� �同じ速度でグラフにすると頂点を中心に、左右対象になるような一過性であることが多いのです。
本需要を確実に積み上げ、ロングセラーのヒット商品に育てるには、やはり「急がば回れ」。階段を一段づつ登るような取り組みが望ましいのです。
いわば、市場導入の初期段階は砂漠に水を撒くようなもので、なかなか思ったようには反応が得られないものです。この段階でも諦めずに根気強く、商品コンセプトを提案しつづける努力をすることです。
そして、商品コンセプトを理解し、興味を示し購入してくださった人、満足してくれた人の輪を広げて行くことです。
そして一定レベルの積み重ねが実現すると、その後に大きく伸びる構造が待っているのです。
市場に導入した開発商品は次に「育成」� ��階を経てゴールへと向かって行きます。この「育成」も開発を成功させる重要な活動です。しかし、最近ではスピードを重視する傾向が強く、市場へ導入して直ぐに大きな成果を期待し、その通りにならない商品は短期間の内にダメの烙印を押してしまうのを多く見かけます。
私の経験から言っても、大成功した商品のほとんどが助走(育成期間)の長いものでした。特に今までになかったユニークな商品、サービスであればある程、対象者が興味を示すと同時に怖がる傾向(遠巻きにして様子見をしている状況)が強く、なかなか大衆が動き出さないのが常です。(差別化しすぎるとなかなか売れない理由)
そこで、「育成」(販促活動)が重要になって来ます。販促活動には、一般的に大きく分けて「人的販促活動(営 業活動等)」「宣伝/広告」「プロモーション/イベント(狭義の販促活動)」があげられますが、その他に広報活動(パブリシティー)があります。
この広報活動は、開発コンセプト(その商品のあるべき姿)を第三者の評価を通して情報として対象者へ伝達することにより、提供者(開発者)の一方的な情報の押し付けと違って、より効果的な販促活動となります。
また、この広報活動は戦略的に活用すると開発のあらゆる段階で大きな力を発揮します。
マスコミを通して開発コンセプトないしは商品を公表することにより、開発に必要な「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」といった具体的資源を集めることも可能です。
同時に開発者自らが世間に公表することにより、「有言実行」("やるっきゃない" 状況に自分を追いやる)が実現し、開発途上に出没する多くの難題をクリアーして行くための環境を整えることにもつながります。
但し、パブリシティーは、マスコミの方で開発した商品(サービス)を取り上げてもらえるかどうかに掛っていますので、先ず重要なのはマスコミが記事や番組にするだけの価値、魅力、話題性があるかがポイントになります。
いわば、開発コンセプトが世間で注目されるかどうかの第一関門ということになります。
それだけに、最初に描くゴールがいかに大切かということが理解できると思います。
ゴールを描く行為は、その開発成功の「下絵」を描くことなのです。この下絵がしっかりしていると、マスコミが場合によっては、開発商品(サービス)が出来上がる前、または 着手する前に取り上げるのです。
ここでも、「ナンバーワン」「オンリーワン」要素(それが例えスキ間市場であっても)を盛り込むかが重要です。但し、呉々も定番要素(「確か」で「飽きない」)を無視した奇をてらった商品にはしないように注意して下さい。
出来上がった商品は、次の市場導入と育成の方法によっても成功するか失敗するかが大きく左右される。従って、商品はいってみればタネ(良質の種)であって、開発作業の途中段階での成果です。
メディコロ・デラックス
果たして、このような"品評会"を行い、役員方々の意見を取り入れ、新商品に手を加えて本当にヒット商品が生まれるでしょうか。
また、新商品の"品評会"には、調査会社に依頼し、路上での無差別なアンケート調査やその商品の対象者となりうる人を選別したリサーチがあります。こうした調査はそれ相応の費用もかかり、調査結果はちょっとした辞書並みの厚さの報告書としてまとめられます。
そして、依頼した企業は、その分厚い報告書をありがたがり、結果を鵜呑みにして意気揚々と市場に導入して、果たして報告書通りの結果が生まれるでしょうか。
この答えは、実際に商品開発の経験のある方であれば、おわかりだと思いますが、なかなか考えている通りの結果にならないのが現実です。
その理由は、今の日本では衣食住はもちろんのこと、個人の趣味や嗜好にいたるあらゆる分野での顕在化しているニーズはほとんど埋め尽くされています。そのため、新商品(サービス)によって新たな潜在需要を掘り起こす必要があるからです。
つまり、新商品(サービス)を手にして「あっこれはいい」と思い、思わず買ってしまう商品を提供できなくては、ヒット商品つはなりません。
新商品(サービス)がそうしたものであるかどうかは、開発者が想定する対象者に向けて、開発する商品(サービス)を提供することで、対象者を満足させることにあります。
そのためには、開発者はその商品(サービス)のあるべき姿に「こだわる」ことを商品のモノサシとして、「製品要素」と「表現要素」をバランス良く組み合せることで、潜在しているニーズを掘り起こすという作業が求められるのです。
ぬいぐるみを染めるする方法
従って、最初に描いた「あるべき姿」を先ず評価し、出来上がった商品の評価は、最初に描いた「あるべき姿」との比較で確かに狙い通りのものに仕上っているかどうかを確認することが一番大切になるわけです。
さらに出来上がった商品(サービス)は、そのままでは「タネ」でしかなく、これをその後どのように育てるかで大樹(成功)に至るまでに育てられるかかがむしろ重要になります。
ただし、その商品(サービス)が大樹に育つかどうかは、質の良し悪しによって決まります。また、どのように市場に導入するかということも開発が成功するか、失敗するかを左右する重要な用件となります。
ここでは、いかに最初に描くゴール(あるべき姿=コンセプト)が重要か、また開発者のこだわりでいかにゴールに相応しい商品をつくりあげるかが成功の鍵を握ることを肝に命じて下さい。
このことがわかっていても、冒頭での役員室での"品評会"や調査会社のリサーチの結果を取り入れて、作られた商品(サービス)が開発者の最初に考えていた商品のあるべき姿とかけ離れた商品になってしまうことは、どんな企業でも日常茶飯事に行われている光景です。
そして、そこから生まれた商品は当初考えていた商品(サービス)ではありません。つまり、そうなった商品は、改めてコンセプトから作り直さなくてりません。社内で行われる"品評会"に重要なことは、当初考えていた新商品になっているかを見極めるものでなくてはならないのです。
市場導入の基本〔小さく産んで、大きく育てる〕
いよいよ商品が出来上がり、次は市場へ導入ということになります。ここで開発が終りわりではありません。
新しく創造した商品(サービス)は、植物に例えると「種」でしかありません。従って、ヒット商品にするには、「育てる」という行為が必要なわけです。
せっかくユニークな商品を開発したとしても、市場への導入の方法を間違えると失敗してしまうことが多くあります。
また、開発したモノが独自性の強いものであればある程、導入時には大きな抵抗を受けるものです。
そこで、先ず成長へのメカニズムを理解することが重要です。
★成長のメカニズムを知る
新しい提案ほど、多くの人を一度に満足させることはむずかしく、開発はリスクがつきものです。だからこそ、小さくはじめると、リスクも小さくてすみます。
ひとつに絞り込んでインパクトのあるものを提供できれば、それだけ影響力も大きいのが情報化社会の特徴です。
従って、「小さく産んで、大きく育てる」ことが重要です。
例えば、水を巻くとき、対象物に水をあてようとするとホースの先を細くした方が強く、遠くまで届かせることが可能です。それと同じです。
絞り込んでインパクトのあるものを提案していくためには、商品にしても、販促活動にしても、目立つという要素が重要です。
ただし、目立つ要素があるだけで商品がヒットするとは限りません。目立つ要素、あるいは別の要素でもいいのですが、購入の動機付けとなる要素が必要です。
それはモノそのものよりも、楽しみ方(使い方)や価値観によるところが大きくなります。つまり、楽しみ方(使い方)や価値観といった付加価値に共感、共鳴(感動・感激)してもらえる要素が動機付けとなり、クチコミの中身(情報)として拡がっていくのです。
★市場導入から拡大へのメカニズム
最終的な需要はクチコミによって広げられます。
そのメカニズムは、まず、ユニークなモノにいち早く反応し、興味を示して、行動に移すイノベーターと呼ばれる一握りの人たちに対し、いかに投げかけるかが鍵となります。
イノベーターはつねに世の中の新しい動きに敏感で、真っ先に試してみたいという気質を備えています。そして、自らが体験し、評価した結果がクチコミによってオピニオンリーダーと呼ばれる影響力のある人たちへ伝達され、拡大されていき、大衆へと情報が伝えられていきます。
情報化社会では、このクチコミの拡大の速度と範囲が、以前に比べて格段に早く、広がりも大きくなっています。また、マスメディア等を通じて、さらにその速度は加速されています。
このメカニズムを知ることにより、さらに最初の情報提供の手段、手法の重要性を理解することができます。
的を絞り、提供する情報を明確なものにして、目立つ情報(ナンバーワン要素、オンリーワン要素)を提供することにより、イノベーターの注目を集める機会が多くなります。
また、そのような情報は、マスコミが取り上げる機会も多くなるのです。
この情報拡大のペースは、開発する商品、あるいは提供者の戦略に合わせてコントロールする必要性があります。高付加価値商品ほど、序々に拡大していく方が良い場合が多いのです。
★導入時は短い流通チャンネルが理想。
最近ではnetオークションを通して、消費者同士が直接商品の取引を行っており、これが大変人気があって、多くの人が参加しています。
正に、需要と供給のバランスで商取引が成立している一つの例です。
人によっては全く興味のない、価値を評価できないモノであっても、それを欲しがっている人にとってみれば、プレミアを払ってでも手に入れたいモノとなるのです。実際気に入ったモノの情報を得て、高額を支払って購入している人も多いのです。
これが商売の原点なのです。
せっかくユニークな商品を開発したにもかかわらず、業界で常識化した流通チャンネルを通して市場へ導入し、販売したために一般的な扱いを受け、特に育てるというような行� �もなしに短期間での販売実績、あるいは扱い勝手の良否でその商品が評価され、白黒が決まってしまうのを良く見かけます。
潜在的に大ヒットする要素を秘めている商品であっても、消費者に十分理解され、クチコミで広がって行く前(本物需要の拡大メカニズム上での評価が下される前の段階)にダメの落いんを押されてしまうケースは枚挙に遑がありません。
商品を育成するという観点からすると、導入期には、なるべく直接消費者にその商品の良さ、コンセプトを訴求できる販売形態を選ぶのが理想です。
情報伝達のメカニズムからしても、なるべく短い流通チャンネルを通して消費者に提供することが、望ましいのです。
★長い流通チャンネルは「電報ゲームと同じ」。
子供の頃、よくやった「� ��報ゲーム」を思い出してみれば分かります。人から人へと情報が伝わって行く間に最初の話しがだんだん変わって伝えられ、最後には全く違う話になってしまうのと良く似ています。
もっとも、それが商品の良さ、コンセプトを誇張するようなストーリーに変わっていれば話は別です。
別の視点で捉えれば、流通の中間に介在するところにとってみれば「育てる」という行為はすぐに利益につながらないため、「今日売れる商品」に力を入れるのは当然で「明日売れるか分からない商品」には、あまり興味を示さないのは、立場を代えて考えれば至極当然です。
★流通システムも開発コンセプトに合わせて開発。
開発者が開発した商品(サービス)に最も相応しい導入の方法をこだわりをも以って選択する必要� ��あるのです。そして、育った後に必要性によっては、より販売の拡大を狙って一般的な流通チャンネルへと移行すべきです。
私がかつて手掛けた開発で40億円の商材にまで育った「カセット式のコーヒー」があります。この商品も一般的な流通での販売を行なったために再々失敗した後、私が担当したものですが、一番のポイントは都内の有名スーパーと百貨店の二店に絞って商品を並べていただき、そこで徹底的に販売促進を実施した結果、比較的短期間のうちに、全国規模にまで広がったのが成功へとつながりました。
また、以前ご紹介した、私の創業したデザート・カンパニーも最も短い流通システムを構築したことが、「良いモノを安く(経済的に)」にご提供することを可能にしています。
これからは� �開発した商品に最も適した流通システムを開発するのも商品開発成功の重要な要素となります。
酒類販売の自由化が実施されたように、それまでの業界の仕組みの根幹をなしていた枠組みそのものが転換してしまい、新しい構造の中で企業を維持拡大していかなければならない状況にさらされている会社が、どのように取り組んだらよいかの切実な課題を抱えていることが書かれていました。
また、中央卸売市場という農林水産省の許認可事業も同様、市場法の改訂により、いろいろな規制の撤廃を進める中で、生産者から農産物を委託され、せり売りを商いとしている業者の方々も、これからは直接販売の仕組み、独自性を発揮するための商品開発に取り組まざるを得ない状況に迫られているようです。
これまで解説して来た手法は、「開発の基本」についてふれてきました。従って、商品開発に限らずあらゆる開発に応用が可能です。自由競争の中で生き残って行くための、新しい「枠組みづくり」であったり「新業態開発」にも応用できます。
先ずは、今まで通りでは通用しない。新しい原理なり手法を開発していかなければならないという認識に立つことが一番大切です。その意識をもてない企業は、市場からの退場を余儀なくされる時代に来ていることを市場が示しているように思います。新しいモノをつくり出す「改革」、「開発」が企業を存続させるために不可欠であるとの認識を持って積極的に取り組むことをお勧めします。
そして、自社の強みを原点に帰って� �う一度分析し、これからの世の中のニーズを捉え、自社の強みを活かすことをとことん考え抜けば、必ずや企業を発展させるための新しい事業開発、あるいは商品開発のアイデアは創造できます。
自社の強みが差程ないからといって諦めることは決してありません。「持たざる強み」を発揮すればむしろ多くのものを抱えているところよりも新しいことに取り組み易いのです。やはり、取り組もうという「明瞭な意志」とちょっとした「勇気」そして、一歩歩み出すだけの「行動力」があれば新しいモノを生み出すことができ、あなたの会社を甦えらせることが可能になります。
開発とは、新しいモノを創り上げる作業ですので、本来'わくわく・ドキドキ'するような夢のある仕事なのです。
しかし、ビジネス上の開発 となると、結果がどうなるか分からない、リスクがついてまわる長期的な投資であったり、挑戦課題がこれでもかという程次から次へ現われるやっかいな面が多く、また時間、金、人などなど必ずしも理想的な条件が揃わない中で行なわなければならないのが常です。このようにマイナス思考で捉えると、避けて通りたくなるようなことばかりが想起されるため、最初から諦めてしまったり、あるいは開発に取り組んだものの途中で諦めてしまっている企業が多いのです。
しかし、世の中が大きく変化している今、自社の存在意義を社会に明確に示し、より多くの利益を産みだす体質(高付加価値ビジネス)をつくり上げ生き残るためには、やはり「開発」に積極的に取り組んで行くことが最も重要です。
● 「開発」とは答えを創り出す仕事
再々ふれてきましたが、「開発」とは"答えを創り出す仕事"です。そして正解が存在していてそれを探し出す作業ではありません。(世の中にヒントは沢山ありますが)従って、主体となって取り組む人の信念と情熱(どうしても答えを創り出すんだという一念)が開発を成功させるか失敗するかを決めてしまうと言っても過言ではありません。
もちろん、開発成功のメカニズムを知ることも、その他マーケティングの知識を熟知した上で開発に取り組む事も欠かせませんが、それだけでは成功に至りません。
それが証拠に、中小企業から見ればうらやましい程、資源(ヒト、モノ、カネ、情報)の揃っている大手企業が開発に取り組んでも、そのほとんどが失敗に終わっていることから� ��窺えます。
● 今が「開発」のチャンス
護送船団方式の団体戦の仕組みが崩壊し、タテ割り社会の時代が終わった今、開発の必要性がますます高まりつつあります。同時に今までとは違った開発への取り組みが、いろいろと可能になって来ました。私が提唱し、デザートビジネスで実践している「餅は餅屋のネットワーク」の仕組みもその一つです。
今までの既成概念に捕らわれる必要はありません。また、資源を持ちあわせていないからといって諦めることもありません。
それを逆手にとって(持たざる強みを生かし)自由な発想で目指すゴール(成功の姿)に向って、是非挑戦してみて下さい。
「虎穴に入らずんば虎子を得ず」、先ずは開発の重要性を理解し、冒険心を持って、積極果敢に取り組むことです。
世の中で起きていることは、一見複雑に見えても、実は単純なことの組み合せで出来ています。また、自然界から与えられたもの以外は、人間の意志でつくり上げられています。
だから、開発の基本的なメカニズムを知り、単純な要素を組合せて行けば、必ずや頭に描いた通りの成果を手にすることができます。
開発は、特殊な能力を持つ人だけの仕事ではなく、"当たり前の事を当たり前に行なう"だけです。彼の有名なトヨタ生産方式も"なぜ"を一つの事象に対して、五回ぶつけた結果の積み重ねでできているそうです。
60年代の円高不況の際には、「スーパーマーケット」「プレハブ住宅」「警備保障」といった新しいビジネスが生まれ、75年のオイルショックの時は、「引越しセンター」「カラオケ」「人材派遣」「宅急便」が誕生しています。
そのようなわけで、問題意識を持った経営者の方々が何か新しい挑戦をしていかなければならないと考え、取り組もうとしておられます。しかし、何をどうしていったらよいか分からない、あるいは、取り組んでもなかなか思うようにいかないと嘆き、諦めてしまっている人も多いようです。
そこで、新たな志しを立てて新しいビジネス、既存のビジネスの見直しに取り組んで失敗してしまった、また、いままさにその壁にぶち当たってしまった方々に是非アドバイスをしたいことがあります。
それは新しいビジネスを発想したり、現状の改善を図ろうとしているにもかかわらず、いまだに「業界の常識」「過去の成功体験」「会社の都合」「各種しがらみ」等々を引きずりながら企画している方があまりにも多いということです。
加えて、トップがせっかくユニークな発想や新しい手法で開発に取り組んでも、それを実践する人たち(社員、業界)からの強い抵抗を受けて、計画した通りに事が進まず、潰されている現実を私も沢山直面しています。まずはこの問題を解決しなければ、せっかく開発したモノが成功するはずはありません。
こうした問題を打開するポイントは、
●まず第1に「基本に戻れ!」ということです。つまり、ビジネスの基本に戻り、お客様がいま求めているモノ、現状では満たされていないニーズは何かを把握する。そのうえでお客様が望ましいと思われる方法で、その商品なりサービスを提供するためには、どうあるべきかを考え抜くのです。
●第2に「現状と理想(考え抜いた結果)とのギャップを明確化する」こと。この� ��とで、新しい商品やサービスのアイデア創出が可能となります。
●第3が「勇猛心を持って実践する」こと。まったくいままでに経験のないことを実践するわけですから、リスクはもちろん、その仕事に携わる人たちからの抵抗は覚悟しなくてはなりません。そのうえで目先にとらわれず、大きな夢を実現するために信念をもって実践しなくてはなりません。
もし「この講座を最後まで待てない」「いますぐにでも開発を成功させなくてはならない」あるいは、「すでに取り組んでいるが壁にぶち当っている」という方は、この3点を常に念頭においてことに当たってください。そうすれば志を同じくする同志が現れ、きっとあなたを助けてくれるはずです。
さあ挑戦してみましょう。
内藤 悟
食品流通会社「デザートカンパニー」を設立。数年内に上場が見込まれる急成長企業の経営者としても活躍。 まさに知行合一の人。
時局便乗の芝居で人気を得た新蔵(長谷川一夫)は自らの実力を過信し、師(古川緑波)や恋人(山田五十鈴)と別れ、東京に出る。しかし高慢な彼に周囲は冷たく、納得できる役にもつけない。非を悟った新蔵は、芸の修業に励む。戦時下の不自由さを感じさせない中古智の壮麗な美術、成瀬の練達した演出など見どころは尽きない。
明治時代、歌舞伎が古典だけでなく時局に合わせて日清戦争を歌舞伎にして舞台に掛けているのが面白い。
日清戦争下の大阪。金儲けよりも大衆が真に求める芝居を打つことを信念とした興行師を軸に、芸人(長谷川)の精神的成長と、娘義太夫(山田)の自己犠牲が美しく描かれる。すべてがセット撮影で、特に道頓堀端の劇場・角座は、戦争末期とは思えないほどの贅沢さ。
最後のセリフが響く!
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